染織

琉球絣はなぜ600種以上の絣柄を受け継ぐのか、県産織物最大の産地が抱える分業の高齢化

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民芸伊予KASURl会館  Iyo Japanese Ikat Weaving Museum
Photo: lienyuan lee / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開資料をAIが調べて整理しました(特定の工房・商品の宣伝ではありません。出典は末尾)。

糸を部分的に括って染め分け、織り上げたときに模様を浮かび上がらせる「絣」。沖縄の南風原町を中心に作られる琉球絣では、600種以上の絣の単位を組み合わせて製品に展開する。県産織物の中で最大の生産額を占める産地だが、その生産額は、本土復帰直後の10数億円から、2017年度には1億6千万円程度になった。

3行でわかる

  1. 琉球絣は、1611年に儀間真常が薩摩から木綿の種を持ち帰り栽培したことに始まるとされ、今では絹絣が大半を占める。
  2. 南風原町と八重瀬町でほぼ100%を生産し、県産織物の中で最大の生産額を占める。1983年に伝統的工芸品に、2017年には南風原花織も指定された。
  3. 生産額は1972年から1982年ごろの10数億円から2017年度は1億6千万円程度に減り、絣括りなど分業の担い手の高齢化が課題になっている。

01この工芸は何か(技術の正体)

琉球絣は、南風原町を中心に作られる絣織物で、直線による幾何学模様と、生活に密着した絣柄が特徴である。

直線による幾何学模様は、「トゥイグァー」「バンジョウ」などの呼び名に表れるように、生活に密着した柄が特徴とされる[1]。

琉球絣は木綿絣として始まり、1935年ごろから絹絣が導入され、今では絹絣が大半を占めている[1]。南風原花織は、毛糸や木綿糸を使った重厚で暖かみのある花織で、冬物の着物や羽織用として盛んに織られた[1]。

02産地とその歴史

1611年、儀間真常が薩摩から木綿の種を持ち帰り、栽培を始めたことが琉球絣の始まりとされる。

琉球絣は、1611年に儀間真常が薩摩から木綿の種子を持ち帰り、垣花地方で栽培したときに始まるといわれる[1]。

1975年に琉球絣事業協同組合が設立され、1979年度には南風原町に共同利用施設「琉球かすり会館」が建設された。1983年に伝統的工芸品「琉球絣」の指定を受け、2017年1月には「南風原花織」も伝統的工芸品に指定された[1]。

03技術を、生活の言葉で

県産織物の中で最大の生産額を占めるが、2007年度後半からの不況で大きく減少した。一方で従事者数は増加傾向にあった。

沖縄県「令和4年度 工芸産業振興施策の概要」[1]

琉球絣の生産額は、本土復帰直後から1982年ごろまで10数億円で推移し、近年は5〜7億円で推移していたが、2007年度後半からの織物業界の不況などで減少し、2017年度は1億6千万円程度。1人当たりの生産額は200万円前後から減り続け、2017年度は96万円。従事者数は増加傾向にあり、2017年度は170人程度。製品は着尺を軸に9割が県外の流通業者を通して出荷されている。

補足: 「琉球絣」は沖縄の織物全体を指す言葉のように使われることがあるが、今日では主に南風原町を中心に生産される絣織物を指す。

04後継者問題とテクノロジーとの交差点

分業で支えられてきた生産は、絣括りや染めの担い手の高齢化で維持が難しくなっている。産地は二次加工品や体験学習で裾野を広げようとしている。

1

絣括りの技術継承

生産は工程の分業で行われてきたが、特に絣括りや染色の担い手の高齢化が顕著とされる。絣括りは600種以上の絣単位を製品に展開する必要があり、技術の習得に長い時間を要する。

2

二次加工品と体験

帯や着尺の販売が停滞するなか、二次加工品の売上が好転している。沖縄県は、かりゆしウェア、ネクタイ、バッグなどへの展開や、琉球かすり会館を活用した体験、教育機関での体験学習の充実を挙げている。

600種以上の絣の単位という蓄積は、そのまま人の手と記憶に依存している。分業の一つの工程が途絶えれば、産地全体の生産が止まりかねない。

05関連する工芸

同じく絣の産地として、後継者をインターンで探す福岡の久留米絣と比べると、絣産地に共通する課題が見えてくる。

06よくある質問

琉球絣の始まりはいつですか

1611年に儀間真常が薩摩から木綿の種子を持ち帰り、栽培したときに始まるといわれています。

琉球絣はどこで作られていますか

南風原町と八重瀬町でほぼ100%が生産されています。特に南風原町の喜屋武、本部、照屋が主要な産地です。

絣括りとは何ですか

糸を部分的に括って染め分け、織ったときに模様が出るようにする工程です。琉球絣では600種以上の絣単位を製品に展開します。

出典

  1. 沖縄県 商工労働部ものづくり振興課. 「令和4年度 工芸産業振興施策の概要」. https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/630/r4_zentaiban.pdf
  2. 沖縄県. 「第10次沖縄県伝統工芸産業振興計画(素案)」. https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/040/770/soann.pdf
  3. 沖縄県. 「第8次沖縄県伝統工芸産業振興計画」(2017年3月). https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/629/daihatijishinkei.pdf