萩焼はなぜ使うほど色が変わるのか、「萩の七化け」と茶の湯の焼き物

萩焼の茶碗は、使えば使うほど色が変わる。お茶が少しずつ器に染み込み、七種類もの色の変化を見せるといわれ、「七化け」と呼ばれる。山口県萩市で作られるこの焼き物は、楽焼、唐津焼とともに、茶の湯で使われる代表的な焼き物の一つに数えられている。
3行でわかる
- 萩焼は山口県萩市で作られる焼き物で、16世紀後半に朝鮮半島から萩に連れてこられた陶工の様式に由来する。
- 焼いた後の冷却で釉薬と土が異なる速さで縮み、細かなひびが入る。そのひびと吸水性のある土にお茶が染み込み、色が変わっていく。
- この「七化け」と呼ばれる変化が高く評価されており、萩焼は茶の湯で使われる代表的な焼き物の一つとされる。
01この工芸は何か(技術の正体)
萩焼は、萩の土を使い、乳白色などの釉薬をかけて焼く陶器で、使ううちに色が変わることで知られる。
萩焼は地元の土を使い、焼き上がると吸水性のある赤茶色の陶器になる。萩焼らしい色を出すために釉薬が使われ、最も一般的なのは乳白色である[1]。
焼成には長い連房式の登り窯を使い、数日かけて焼く。焼いた後も窯を数日閉じたままにして冷ます[1]。
02産地とその歴史
萩焼は、16世紀後半の朝鮮出兵の後に萩に連れてこられた朝鮮の陶工の様式に由来し、茶の湯の焼き物として愛されてきた。
萩焼は、16世紀後半の日本による朝鮮半島への軍事侵攻の後に萩に連れてこられた、朝鮮の陶工の様式に由来する[1]。
萩焼は、楽焼、唐津焼とともに茶の湯で使われる代表的な焼き物の一つとして知られる[1]。萩の熊谷美術館は、古い萩焼を含む茶道具などの所蔵品を展示している[3]。
03技術を、生活の言葉で
釉薬と土の縮み方の違いがひびを生み、そこから染み込むお茶が器の色を少しずつ変えていく。
観光庁の多言語解説文(萩焼解説)[1]
窯の中で器が冷えるとき、釉薬と土は異なる速さで縮む。その過程で釉薬に細かなひび(貫入)が入る。このひびと土の吸水性によって、使ううちにお茶が器に染み込み、色が変わっていく。この変化は「七化け」と呼ばれ、使ううちに七種類の色に変わるといわれる。こうして色が変わった器は高く評価されている。
補足: 萩焼の細かなひびは、割れや不良ではない。お茶が染み込んで味わいが育つ、萩焼ならではの特徴である。
04後継者問題とテクノロジーとの交差点
萩焼は形も様式も多様で、変わらない伝統ではなく、今も変わり続ける「生きた伝統」とされる。萩には萩焼を紹介する美術館もある。
生きた伝統としての萩焼
観光庁の解説は、萩焼には数多くの様式や形があり、静的で変わらない工芸ではなく、生きた伝統であると紹介している。
焼き物を伝える美術館
山口県立萩美術館・浦上記念館は、浮世絵と東アジアの陶磁器のコレクションを公開する美術館で、2010年には萩とその周辺の陶芸に特化した陶芸館が新設された。
使う人の手の中で器が変わっていく。萩焼の価値は、完成した時点ではなく、使い続ける時間の中で育つところにある。
05関連する工芸
同じ西日本の焼き物として、釉薬を使わない焼き締めの備前焼や、1,300年の歴史を持つ美濃焼と比べると、焼き物の多様さが見えてくる。
06よくある質問
萩の七化けとは何ですか
萩焼を使ううちに、お茶が器に染み込んで色が変わっていくことです。七種類の色に変化するといわれます。
萩焼の細かいひびは何ですか
焼いた後に冷えるとき、釉薬と土が異なる速さで縮むことでできる細かなひびです。割れではありません。
萩焼の起源は何ですか
16世紀後半に萩に連れてこられた朝鮮の陶工の様式に由来するとされます。
出典
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「菊屋家住宅 萩焼解説」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/H30-01082.html
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「山口県立萩美術館・浦上記念館 美術館全体概要」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/H30-01083.html
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「熊谷美術館 概要」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/R2-00363.html