美濃焼はなぜ1,300年も焼き続けられてきたのか、須恵器から志野・織部、タイルまで広がる「陶磁器の谷」

岐阜県の美濃地方では、8世紀の須恵器から数えて、約1,300年にわたって焼き物が作られてきた。農民や町人が使った量産の山茶碗から、ヨーロッパのサロンで使われた金縁の茶器まで。16世紀末には黄瀬戸、志野、瀬戸黒、織部という名品の様式を生み、6人の人間国宝を輩出している。
3行でわかる
- 美濃焼は、美濃地方で作られる陶磁器の総称で、8世紀の須恵器から約1,300年の歴史を持つ。
- 16世紀末に黄瀬戸、志野、瀬戸黒、織部の様式が生まれ、地域からは6人の人間国宝が出ている。明治には輸出品として世界に渡った。
- 器のほか、タイルや盃など幅広い製品を作り、1959年に多治見市が設立した意匠研究所は47か国から来た900人の卒業生を送り出している。
01この工芸は何か(技術の正体)
美濃焼は、岐阜県の美濃地方で作られる陶磁器の総称で、日用の器から美術品、タイルまで幅広い製品を含む。
美濃焼とは、美濃地方で作られた陶磁器を指す言葉で、1,300年の歴史と発展を含んでいる[2]。
その範囲は、かつて農民や町人が使った飾り気のない量産の山茶碗から、近年ヨーロッパのサロンで使われた金縁の茶器まで幅広い[4]。
02産地とその歴史
8世紀の須恵器に始まり、16世紀末には茶の湯の名品の様式を生んだ。明治には輸出用の焼き物として世界に広がった。
美濃地方の焼き物づくりは、8世紀の須恵器にまでさかのぼり、約1,300年続いている[1]。16世紀末には、黄瀬戸、志野、瀬戸黒、織部という名高い様式が生まれた[2]。
明治維新後、日本は急速に工業化を進め、1888年までに日本の陶磁器の輸出はほぼ3倍に増えた。1893年のシカゴ万国博覧会では、展示された美術品290点のうち271点が日本のもので、多くの陶磁器が含まれていた[3]。
03技術を、生活の言葉で
美濃は名品と量産品の両方を生み出してきた産地であり、地域からは6人の人間国宝が出ている。
観光庁の多言語解説文(美濃焼)[2]
美濃地方は6人の人間国宝を輩出しており、2015年に東濃信用金庫が設立した東信美濃陶芸美術館では、その作品の一部も展示されている。同金庫は1986年から地元で作られた優れた陶磁器を収集している。
補足: 美濃焼は一つの決まった様式を指す名前ではない。美濃地方で作られた多様な陶磁器の総称である。
04後継者問題とテクノロジーとの交差点
美濃の産地は、器だけでなくタイルなどの製品にも広がり、陶磁器のデザインと技術を学ぶ人材育成の拠点も持っている。
人材育成の拠点
1959年に設立された多治見市陶磁器意匠研究所は、これまでに47か国から来た900人の卒業生を送り出している。陶磁器のデザインと技術を学ぶ場として、国内外の作り手を育ててきた。
器からタイル、盃まで
多治見市のモザイクタイルミュージアムは1万点を超える収蔵品を持つ。市之倉は約2世紀にわたって盃づくりに特化し、かつては国内で作られる盃の半分以上を生産した。
名品の伝統と、量産の技術と、新しい作り手を育てる仕組み。美濃焼の1,300年は、そのどれか一つではなく、すべてを抱えた産地であることによって続いてきたといえる。
05関連する工芸
同じ陶磁器の産地として、3Dプリンタに挑む有田焼や、狸で知られる信楽焼と比べると、産地ごとの戦略の違いが見えてくる。
06よくある質問
美濃焼とは何ですか
岐阜県の美濃地方で作られる陶磁器の総称です。8世紀の須恵器から約1,300年の歴史を持ちます。
美濃焼の有名な様式は何ですか
16世紀末に生まれた黄瀬戸、志野、瀬戸黒、織部が知られています。
美濃焼の産地で人材はどう育てられていますか
1959年に設立された多治見市陶磁器意匠研究所が、47か国から来た900人の卒業生を送り出しています。
出典
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「Explore Japan's Ceramic Valley」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R3-00660.html
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「About Toshin Mino Ceramic Art Museum」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R3-00651.html
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「Mino Ceramics to the World」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R3-00642.html
- 観光庁. 地域観光資源の多言語解説文データベース「Mino Ceramics: 1,300 Years of History and Counting」. https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R3-00624.html