陶磁器

有田焼はなぜ売上が最盛期の5分の1になったのか、創業400年の産地が3Dプリンタに託したもの

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Exhibit in the Gardiner Museum, Toronto, Ontario, Canada. This artwork is in the public domain because the artist died more than 70 years ag
Photo: Daderot / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査産地組合・自治体・研究機関・報道機関の公開資料をAI(Claude)が調べ、内容を確認して整理しました。特定の工房・商品を宣伝するものではありません。出典は末尾にあります。

日本で初めて磁器が焼かれた地、佐賀県有田町。1616年の誕生から400年を経た有田焼だが、1990年ごろに年間約250億円あった売上は、最盛期の5分の1程度まで落ち込んだという。創業400年という節目を機に、産地は3Dプリンタによる新しい成形技術や、海外デザイナーとの協働に活路を求めている。

3行でわかる

  1. 有田焼の売上は1990年ごろの約250億円から、最盛期の5分の1程度まで減少した。
  2. 起源は1616年、朝鮮人陶工・李参平が有田・泉山で磁器の原料となる陶石を発見したことにさかのぼる。
  3. 佐賀県窯業技術センターは3Dプリンタで陶磁器を成形する「C3DPO」技術を開発し、複雑な形状を低コストで実現しようとしている。

01この工芸は何か(技術の正体)

有田焼は、白磁・染付・色絵など複数の表現技法を持つ、日本で最初に作られた磁器である。

有田観光協会によれば、有田焼には白い素地に透明釉薬をかけた「白磁」、藍色の絵具で釉薬の下に絵付けする「染付」、赤・黄・緑などの絵具で釉薬の上に彩色する「色絵」など複数の表現がある。1640年代から色絵の技法が発展し、「初期色絵様式」や「柿右衛門様式」といった独自の様式が確立された。陶器と異なり、磁器は石を砕いた陶石を原料とするため、薄く軽く、硬く焼き上がるのが特徴である。

02産地とその歴史

起源は1616年、朝鮮人陶工・李参平が有田東部の泉山で白磁鉱を発見し、天狗谷窯で日本初の白磁を焼いたことにさかのぼる。

豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、肥前の領主・鍋島直茂に同行して連れ帰られた朝鮮人陶工の一人、李参平(金ヶ江三兵衛)が、有田・泉山で磁器の原料となる陶石を発見し、近くの上白川に天狗谷窯を開いたのが有田焼の始まりとされる。1980年(昭和55年)には天狗谷窯跡・山辺田窯跡・原明窯跡・泉山磁石場跡が国の史跡に指定された。17世紀半ばからは長崎の出島を通じて大量の有田焼がヨーロッパへ輸出され、王侯貴族を魅了。ドイツ・ドレスデンの君主は有田焼を参考に自国での磁器焼成を試みたと伝わる。2016年に日本初の磁器誕生から400年を迎えた。

03技術を、生活の言葉で

400年の歴史を誇る産地だが、売上は長期的な縮小に直面しており、400年の節目を「再生」のきっかけにしようとする動きが生まれた。

事業構想オンラインの取材(2015年8月号)[2]

1990年ごろに年間約250億円あった有田焼の売上は、最盛期の5分の1程度まで減少した。この危機感を背景に、創業400年に合わせて17のプロジェクトが進行し、世界で活躍する16組のデザイナーと16の窯元・商社が協働する「2016/」プロジェクトなど、新しい価値づくりが模索された。

補足: バブル崩壊後の職人の高齢化・後継者不足も、産地が抱える構造的な課題として指摘されている。

有田焼は分業制で成り立っており、原料を砕く工程から成形、絵付け、焼成まで、複数の専門工程を経て完成する。需要の縮小は、この分業を支える職人一人ひとりの仕事量の減少に直結する。「2016/」プロジェクトのような取り組みは、伝統的な技法はそのままに、デザインの力で新しい顧客層を開拓しようとする試みといえる。

04後継者問題とテクノロジーとの交差点

産地は、3Dプリンタによる新しい成形技術の開発と、デザイナーとの協働という2つの方法で、危機からの再生を模索している。

1

3Dプリンタ成形技術「C3DPO」

日経クロステックの報道によれば、佐賀県窯業技術センターは「Ceramic 3D-Direct Print-Out(C3DPO)」という技術を開発した。粉末材料をバインダーで固める方式の3Dプリンターで立体モデルを作り、それを焼成して陶磁器の成形品を得る方法で、従来の石膏型では作れない複雑な形状の実現、工程短縮、低コスト化が期待されている。

2

海外デザイナーとの協働・EC相談窓口

2016年の創業400年事業では、世界で活躍する16組のデザイナーと16の窯元・商社が協働し、新しいブランド「2016/」が生まれた。有田町では、パッケージデザインや3Dモデリング、Webサイト・ECサイトについて無料で相談できる窓口も運営されており、自治体・関係団体・地元企業が連携して新しい販路開拓を後押ししている。

3Dプリンタ技術は量産効率化の手段であると同時に、これまで石膏型では作れなかった複雑なデザインを可能にする手段でもある。ただし、これらの技術・支援策はまだ産地の一部の取り組みにとどまっており、長期的な需要縮小という構造的な課題そのものを解決するものではない。

05関連する工芸

同じ陶磁器として、生産額の縮小という共通の課題を抱える九谷焼と合わせて読むと、産地ごとの対応の違いが見えてくる。

06よくある質問

有田焼の売上は今どれくらい減っていますか

事業構想オンラインの報道によれば、1990年ごろに年間約250億円あった売上は、最盛期の5分の1程度まで減少しています。バブル崩壊後、職人の高齢化と後継者不足が深刻な課題になっています。

有田焼はいつ、誰が始めたのですか

有田観光協会によれば、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に鍋島氏が連れ帰った朝鮮人陶工・李参平(金ヶ江三兵衛)が、17世紀初頭に有田・泉山で磁器の原料となる陶石を発見したのが始まりとされます。日本で初めての磁器製造でした。

有田焼に3Dプリンタはどう使われていますか

佐賀県窯業技術センターは「C3DPO」という技術を開発しました。3Dプリンターで作った立体モデルを焼成して陶磁器の成形品を得る方法で、石膏型では作れない複雑な形状を、工程短縮・低コストで実現できると期待されています。

出典

  1. 有田観光協会. 「有田焼(ありたやき)とは」. https://www.arita.jp/aritaware/
  2. 事業構想オンライン. 「有田焼、創業400年目の挑戦 常識を打ち破る作品の数々」(2015年8月号). https://www.projectdesign.jp/201508/pn-saga/002353.php
  3. 日経クロステック. 「3Dプリンターで有田焼を成形、伝統工芸をデジタル技術で革新」. https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/mag/15/400480/082000001/
  4. ウィキペディア. 「有田焼」. https://ja.wikipedia.org/wiki/有田焼