漆器

琉球漆器はなぜサトウキビの繊維で器を作ったのか、生産額が6億円から1億円に減った産地

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red lacquerware
Photo: Rama / CC BY-SA 3.0 fr / Wikimedia Commons
AIによる調査公開資料をAIが調べて整理しました(特定の工房・商品の宣伝ではありません。出典は末尾)。

サトウキビを搾った後に残る繊維「バガス」を固めて、器の素地にする。戦後の沖縄で、駐留米軍向けの土産品を量産するために取り入れられた方法だ。15世紀の沈金の器が現存し、かつては中国や朝鮮、日本へも輸出された琉球漆器。その生産額は、1990年前後の6億円台から、近年は1億円程度になっている。

3行でわかる

  1. 琉球漆器は、デイゴなどの自然木を木地とし、鮮やかな朱塗りや「堆錦(ついきん)」などの加飾技法で知られる。
  2. 琉球王国は漆工芸品を明や朝鮮、シャム、日本などに輸出した記録を残しており、戦後は米軍関係者向けの土産品としてバガス成形による量産も進められた。
  3. 生産額は1989〜1993年ごろの6億円台から近年は1億円程度に減り、首里城の再建に携わる若手が職人として活動を続けられるようにすることも課題になっている。

01この工芸は何か(技術の正体)

琉球漆器は、デイゴやエゴノキなどの自然木を素地に、天然の漆で朱や黒に塗り上げる沖縄の漆器である。

デイゴ、エゴノキ、センダン、ガジュマルなどの自然木を木地とし、天然漆で仕上げる朱塗りの鮮やかさと、黒塗りとの大胆な対比が特徴とされる[1]。

原材料のデイゴは割れにくく軽いため漆器の素材に適しており、気温や湿度も漆塗りに適しているとされる。「堆錦(ついきん)」をはじめとする多様な加飾技法も特色である[1]。

02産地とその歴史

琉球王国は漆工芸品を海外に輸出し、のちには将軍家などへの献上品として、王府の貝摺奉行所を中心に生産した。

起源は定かではないが、15世紀の製作と見られる沈金の丸櫃が久米島に現存している。1679年編集の「歴代宝案」には、明、朝鮮、シャム、日本などに漆工芸品を輸出していた記録が残る[1]。

1609年の島津氏の侵攻以降、漆器は将軍家などへの献上品とされ、琉球王府に置かれた貝摺奉行所を中心に生産された。沖縄戦で壊滅的な打撃を受けたが、戦後間もなく再興された[1]。

03技術を、生活の言葉で

戦後、米軍関係者向けの土産品として、サトウキビの繊維で素地を成形する量産の手法が取り入れられた。しかし生産額は大きく減っている。

沖縄県「令和4年度 工芸産業振興施策の概要」[1]

戦後間もなく、琉球漆器は米軍関係者の嗜好品や土産品として盛んに製造され、素地をバガス(サトウキビの搾汁後の繊維)で成形する手法を取り入れて量産化が進められた。生産額は1989年から1993年ごろにかけて6億円台で推移していたが、近年は1億円程度で、1人当たりの年間生産額は180万円前後。従事者数は1999年ごろまでは100人を超えていたが、近年は減少傾向にある。

補足: 琉球漆器は観光土産品だけではない。王国時代には献上品・輸出品として作られた歴史を持つ。

04後継者問題とテクノロジーとの交差点

量産のための素材の工夫は、高い価格や「飾り物」のイメージによる消費者離れという課題に直面している。首里城の再建も産地にとって節目になっている。

1

バガスと素材の確保

第7次振興計画によると、2010年度の生産額は約1億1,765万円、従事者数は48人で、天然木が手に入りにくくなるなか、バガスを使った製品も生産されている。

2

首里城再建と担い手

第10次振興計画の素案は、首里城の再建作業に従事している若手が、再建事業の終了後に漆器職人として活動できるようにする必要があると指摘している。市場ニーズに合った新商品の開発も課題とされる。

琉球漆器は、技術そのものだけでなく、その技術で生計を立てられる仕組みをどう作るかが問われている。首里城の再建は、技術を学んだ若手を産地に残す機会にもなりうる。

05関連する工芸

同じ漆器の産地として、量産の近代漆器が7割を占める山中漆器と比べると、素材の工夫の方向性の違いが見えてくる。

06よくある質問

琉球漆器の特徴は何ですか

デイゴなどの自然木を木地とし、天然漆による鮮やかな朱塗りと黒塗りの対比、堆錦などの加飾技法が特徴です。

バガスとは何ですか

サトウキビを搾った後に残る繊維のことです。戦後、琉球漆器の素地をバガスで成形し、量産する手法が取り入れられました。

琉球漆器の生産額はどれくらいですか

沖縄県によると、1989〜1993年ごろは6億円台でしたが、近年は1億円程度になっています。

出典

  1. 沖縄県 商工労働部ものづくり振興課. 「令和4年度 工芸産業振興施策の概要」. https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/630/r4_zentaiban.pdf
  2. 沖縄県. 「第10次沖縄県伝統工芸産業振興計画(素案)」. https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/040/770/soann.pdf
  3. 沖縄県. 「第7次沖縄県伝統工芸産業振興計画」(2012年3月). https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/629/7th-traditionalcraftpromotionplan.pdf