漆器

能登半島地震は伝統工芸に何をもたらしたのか、輪島塗の生産額が24億円から14億円になった2年間

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石川県輪島市河井町24-55にある輪島塗会館。
Photo: Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開資料をAIが調べて整理しました(特定の工房・商品の宣伝ではありません。出典は末尾)。

2024年1月1日の能登半島地震から2年半。輪島塗の生産能力は、地震前の6〜7割ほどしか戻っていないと、産地の組合は報告している。石川県の統計では、輪島塗の生産額は2022年度の24億円から、2024年度は14億円に減った。同じ能登の七尾仏壇は、企業数が10社から3社になった。

3行でわかる

  1. 石川県の統計によると、輪島塗は2022年度の408社・1,045人・24億円から、2024年度は300社・700人・14億円に減った。
  2. 七尾仏壇は2022年度の10社・17人から、2024年度は3社・9人になった。
  3. 国は被災した伝統工芸の事業者の設備や原材料の購入を支援し、採択は累計392件にのぼる。一方、産地での製造が要件となる伝統工芸は、災害に構造的に弱いとの指摘もある。

01この工芸は何か(技術の正体)

能登半島地震は、2024年1月1日に石川県能登地方を中心に起きた大地震で、輪島塗をはじめとする能登の伝統工芸に大きな被害をもたらした。

国は激甚災害に指定された能登半島地震の影響を受けた石川・富山・福井・新潟の4県などで、伝統的工芸品を製造する事業者の生産設備の整備や原材料の確保を補助している[1]。

輪島塗は、塗師屋(ぬしや)が各工程を専門の職人に発注する分業で成り立ってきた。その専門の職人の多くが輪島に暮らしていた[3]。

02産地とその歴史

輪島塗は国の伝統的工芸品であり、輪島で作られることが名乗るための前提になる。そのため、生産拠点を別の場所に移して災害に備えることが難しい。

秋田魁新報(2026年7月)によると、輪島以外で製造された製品は「輪島塗」と名乗ることができない。産地での製造が伝統的工芸品としての要件となっているため、他の製造業で一般的な、生産拠点を分散して災害に備える方法がとりにくい[3]。

専門家は、伝統工芸産業は構造的に災害に弱いとして、業界全体での事業継続計画(BCP)の策定を提言している[3]。

03技術を、生活の言葉で

石川県の統計では、地震を挟んだ2年間で、輪島塗の企業数は約4分の3に、従業者数は約3分の2に、生産額は約6割に減った。

石川県統計書「伝統的工芸品一覧」[2]

輪島塗の企業数・従業者数・生産額は、2022年度が408社・1,045人・24億円、2023年度が400社・965人・20億円、2024年度が300社・700人・14億円だった。七尾仏壇は2022年度が10社・17人・6,000万円、2023年度が7社・12人・5,000万円、2024年度が3社・9人・4,500万円だった。

補足: 統計の数字は、事業所が地震で失われた分だけを示しているわけではない。地震前から続く需要の減少と、地震による被害が重なった結果である。

04後継者問題とテクノロジーとの交差点

国は設備や原材料の購入を補助し、採択は累計392件にのぼる。それでも、職人の廃業や域外への避難で、生産能力は地震前の6〜7割にとどまる。

1

国の補助

経済産業省によると、伝統的工芸品の製造を再開するために必要な設備・機器・道具(塗師風呂、窯、ろくろ、刷毛、工具など)の購入費や修繕費、原材料の購入費などを、1,000万円を上限に4分の3以内で補助している。発災以降7回の公募で、採択は累計392件(2026年6月末現在)となった。

2

戻らない職人

秋田魁新報によると、輪島漆器商工業協同組合は、地震から2年半がたっても生産能力は地震前の6〜7割ほどしか戻っていないとしている。職人の一部は廃業したり、輪島に戻っていなかったりする。

分業の産地では、一つの工程の職人が戻らないだけで、全体の生産が止まりうる。能登の伝統工芸の復興は、建物や道具の再建だけでなく、工程ごとの担い手を産地に呼び戻せるかにかかっている。

05関連する工芸

輪島塗の技術とICタグによる品質保証については、地震前の産地の姿を報告した記事もあわせて読みたい。

06よくある質問

能登半島地震で輪島塗の生産はどれくらい減りましたか

石川県の統計では、生産額は2022年度の24億円から2024年度は14億円に減りました。従業者数は1,045人から700人になっています。

なぜ輪島塗は別の場所で作れないのですか

輪島以外で製造された製品は「輪島塗」と名乗れないためです。産地での製造が伝統的工芸品の要件になっています。

国はどのような支援をしていますか

製造再開に必要な設備や道具、原材料の購入費などを、1,000万円を上限に4分の3以内で補助しています。採択は累計392件です。

出典

  1. 経済産業省 商務・サービスグループ 文化創造産業課 伝統的工芸品産業室. 「経済産業省説明資料」(文化審議会提出資料, 2026年7月). https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/kikaku/r07_r08/05/pdf/94408301_03.pdf
  2. 石川県. 石川県統計書「伝統的工芸品一覧」(令和7年版). https://toukei.pref.ishikawa.lg.jp/dl/5303/R7j_32.pdf
  3. 秋田魁新報. 「『輪島塗』、地震から復旧半ば 専門家『事業継続計画策定を』」(2026年7月2日). https://www.sakigake.jp/news/article/20260702CO0134/